刑法解説
憲法(以下法名略)31条の意義 適正手続の保障内容 31条の規定内容 手続の法定 手続の適正 実体の法定(罪刑法定主義) 政令と刑罰 条例と刑罰 実体の適正 31条と行政手続 問題の所在 学説 判例 行政手続法 補足 その他の条文 35条,38条と行政手…
刑法38条では、故意と未必の故意が犯罪成立の要件とされていますが、その違いと判断基準はご存知でしょうか? この記事では、故意と未必の故意の定義や区別の方法、判例や学説の見解などを詳しく解説します。 刑法の基礎知識として、ぜひご覧ください。 故意…
一 恐喝罪は,恐喝行為(脅迫行為。暴行も含む。)により相手方を畏怖させ,他人の占有する他人の財物を 交付させ(二四九条一項),又は財産的処分行為をさせる(同条二項)ことにより成立する。そこで,権利行 使が恐喝罪を構成するか否かの問題は,他人から財物…
共犯の本質について,まず,共犯とは何を共同にするものか,という点に関し,犯罪共同説,即ち数 人が共同して特定の構成要件に該当する犯罪を行うことをいうとする説と,行為共同説,即ち数人が共 同の行為によって各自の企図する犯罪を遂行することをいう…
故意が成立するためには,まず犯罪事実の認識が必要であるが,このほかに違法性の意識を必要とす るか,という点については判例,学説の大きく対立するところである。この点について,代表的な考え 方としては次の五説があげられよう。 a 違法性の意識不要説…
責任主義 責任がなけれは犯罪は成立しないし,責任の重さに応じて刑の量も定まる。犯罪が成立するためには, 単に構成要件該当の違法行為があるだけでは足らず,さらにその行為について行為者に責任を問えるこ とが必要である。こうした責任主義は,現在の刑…
正当防衛(刑法三六条一項)とは,簡単に言うと,犯罪構成要件に該当するが,急迫不正の侵害に対し,自己または第三者の権利を守るためにやむを得ずなした行為であり,緊急避難(刑法三七条一項本 文)とは,犯罪構成要件に該当するが,自己または第三者の生命・…
正当防衛(刑法三六条一項)とは,簡単に言うと,犯罪構成要件に該当するが,急迫不正の侵害に対し,自己または第三者の権利を守るためにやむを得ずなした行為であり,緊急避難(刑法三七条一項本 文)とは,犯罪構成要件に該当するが,自己または第三者の生命・…
正当防衛(刑法三六条一項)とは,簡単に言うと,犯罪構成要件に該当するが,急迫不正の侵害に対し,自己または第三者の権利を守るためにやむを得ずなした行為であり,緊急避難(刑法三七条一項本 文)とは,犯罪構成要件に該当するが,自己または第三者の生命・…
正当防衛(刑法三六条一項)とは,簡単に言うと,犯罪構成要件に該当するが,急迫不正の侵害に対し,自己または第三者の権利を守るためにやむを得ずなした行為であり,緊急避難(刑法三七条一項本 文)とは,犯罪構成要件に該当するが,自己または第三者の生命・…
甲は,知人であるAから罵られたため,言い返したところ,Aは,甲にむかって手を振り上げた。次の場合における甲の刑事責任(特別法違反の点は除く。)を論ぜよ。甲は,Aから暴行を受け,これに対応するためにAの顔面を手拳で殴打した。Aは甲から殴打さ…
甲と乙は,かねてから恨みを抱いていたAに乱暴しようと相談して,言葉巧みに誘い出したAに対し,二人で一緒に殴るけるの暴行を加えた。暴行を加えているうちに,乙は,かねてからのAに対する恨みが高じて,暴行の結果Aが死ぬことがあるかもしれないがそ…
甲は,友人Aから,こん包した段ボール箱を,「この中には,俺の大事にしている古文書 が入っているが,一週間保管してくれ。」と言われて預かった。甲は,預かって三日目になり,古 文書なら売ればもうかると思い,段ボール箱をそのまま,古本屋に持ち込み,…
乙は,友人の甲をびっくりさせようと思って暗がりから飛び出したところ,甲は,暴漢が襲って来たものと思い,自分の身を守ろうとして所持していたステッキを乙めがけて投げ付けた。ところが,ステッキは乙に当たらず,ちょうど乙の後方から歩いて来た丙の目…
甲は,深夜,散歩をしていた際,女性の叫び声が聞こえたので,声のした方に近づいたところ,女性のBがぐったりした様子でシャッターを背にして立っており,その前に若い男AがBの両肩に手をかけて立っていた。そのため,甲は,AがBを強姦しようとしてい…
甲は,知人であるAから罵られたため,言い返したところ,Aは,甲にむかって手を振り上げた。次の各場合における甲の刑事責任(特別法違反の点は除く。)を論ぜよ(各場合は独立したものとする。)。⑴ Aがそのまま殴りかかってきたため,甲はその場を一旦…
一 共同正犯の本質は,共同正犯者が相互に犯罪実行の意思を共同にし,犯罪を実現することにあるのだ が,共同正犯者がどのような場合に,共同して犯罪を実現したというかについては対立がある。構成要 件による定型性を重視する客観説の立場は,共同正犯者が…
甲は,生活費に窮して金品を奪取しようと考え,A 宅に侵入して物色中,A に発見されて大 声を出されたため,所携のナイフで切りつけて傷害を与え,更にその際,傍らに寝ていた幼児(二 歳)の足を踏みつけて傷害を与えたが,近所の人達が駆けつけたため,その…
(一) 公務執行妨害罪で成立する前提として,なされた公務で違法であった場合はどのように考えたらよい であろうか。公務はそもそも職務の執行といえるものであれば足り,適法性・合法性は必要なしとする 見解(小野清一郎)もある。しかしながら,公務執行妨害…
甲・乙・丙の三人は,遊興費欲しさに,相談のうえ,A宅から金品を盗み出すことにした。 ところが,犯行当日になって,丙は,犯行に加担するのがいやになり,甲・乙に「自分は犯行を 止めた。君達も止めたらどうか。」。と話し,甲・乙も丙に「君が止めるなら…
一 保護法益とは,社会秩序を維持するために,国家が国家社会において保護しなければならない利益を いう。すなわち,刑法の究極の目的は社会秩序の維持にあり,そのために,刑法は,国家社会において 保護しなければならない利益に対する侵害行為を犯罪とし…
甲と乙は,通行人から金品を脅し取ろうと共謀の上,甲が通行人 A を脅して金品を要求し た。しかし,A がなかなか言いなりにならないので,甲は,何が何でも奪ってやろうと考え,こ ぶしで A の顔面,腹部を殴りつけ,さらに倒れてしまった A の全身を足で蹴…
要件 効果 要件 中止未遂が成立するには,(イ)「 自己の意思により」(ロ)「止めた」ことが必要であり,(ロ)については,(1) 実行行為そのものを中止する場合と(2)実行行為終了後結果の発生を防止する場合が考えられる。共同正犯の中止未遂の要件も,右と…
不法領得の意思の意義及び機能 所有意思 利用意思 自ら所有権者として振る舞う意思 所有意思必要説 物の経済的(本来的)用法に従って利用・処分する意思 利用意思必要説 まとめ 不法領得の意思の意義及び機能 窃盗罪の客観的要件は,占有者の意思に反して,そ…
例題 甲は,五歳の息子乙と小川に釣りに来ていたが,乙は遊んでいるうちに誤って川に転落した。これを見た甲は,乙に多額の保険を掛けており,付近には誰もいなかったので,そのまま放置したのではおぼれて死ぬかもしれないが,それでも構わないと思って救助…
一 甲は乙に対し,A を殴るようにそそのかした。ところが,乙は既に A を脅かして A に対する恨みを晴らそうと考えていたところから,甲の言葉にいよいよ力を得た。そこで,その機会をねらっていた乙は,ある日,川に沿って歩いて来る A を脅かす意思で,そ…
甲は,所持金がなく,かつ代金支払の意思もないのに,あるかのように装って,A 運転の タクシーに乗り,目的地の近くで「気分が悪くなったので降ろしてくれ。」と嘘を言って車を止 めさせ,そのまま逃走した。 甲の罪責を論ぜよ。 はじめに 本問はいわゆる無…
甲は,寝たきりのAを殺害しようと企て,金属バットでAの頭部を強打し,頭蓋骨を陥没骨折させた。ところが,Aは,既に病気で死亡してしまっていた。甲の刑事責任について論ぜよ。 不能犯とは 不能犯と未遂犯の区別の標準 純主観説 主観的危険説(抽象的危険説)…
問題の所在 実行の着手とは 主観説 客観説 形式的客観説 実質的客観説 検討 窃盗罪における実行の着手 問題の所在 犯罪は,一般に,準備行為(予備)→実行の着手→実行の完了→結果の発生という具合に発展すること になるが,「犯罪ノ実行ニ著手シ之ヲ遂ゲザル」…
第一問 甲は,自動販売機から金をとろうと考え,合鍵を用いて自動販売機の扉を開けていたとこ ろ,たまたま付近を通りかかった乙から「何をしているのか。」と声をかけられたので,捕まっ ては大変だと思い,持っていたドライバーを乙の顔目掛けて投げ付け,…