司法試験の勉強会

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現役弁護士が法学部1年生や司法試験受験者向けに法律の基礎を書くブログです。ブログを続けるモチベーションになるので、1日1回ブログ村のボタンを押して頂けるとありがたいです。

刑法解説

権利行使と恐喝罪の成否について解説

一 恐喝罪は,恐喝行為(脅迫行為。暴行も含む。)により相手方を畏怖させ,他人の占有する他人の財物を 交付させ(二四九条一項),又は財産的処分行為をさせる(同条二項)ことにより成立する。そこで,権利行 使が恐喝罪を構成するか否かの問題は,他人から財物…

共犯と身分―常習賭博の幇助について解説

共犯の本質について,まず,共犯とは何を共同にするものか,という点に関し,犯罪共同説,即ち数 人が共同して特定の構成要件に該当する犯罪を行うことをいうとする説と,行為共同説,即ち数人が共 同の行為によって各自の企図する犯罪を遂行することをいう…

違法性の錯誤についてわかりやすく解説

故意が成立するためには,まず犯罪事実の認識が必要であるが,このほかに違法性の意識を必要とす るか,という点については判例,学説の大きく対立するところである。この点について,代表的な考え 方としては次の五説があげられよう。 a 違法性の意識不要説…

責任主義とは?わかりやすく解説

責任主義 責任がなけれは犯罪は成立しないし,責任の重さに応じて刑の量も定まる。犯罪が成立するためには, 単に構成要件該当の違法行為があるだけでは足らず,さらにその行為について行為者に責任を問えるこ とが必要である。こうした責任主義は,現在の刑…

正当防衛と緊急避難の共通点及び相違点について

正当防衛(刑法三六条一項)とは,簡単に言うと,犯罪構成要件に該当するが,急迫不正の侵害に対し,自己または第三者の権利を守るためにやむを得ずなした行為であり,緊急避難(刑法三七条一項本 文)とは,犯罪構成要件に該当するが,自己または第三者の生命・…

正当防衛と緊急避難の共通点及び相違点について

正当防衛(刑法三六条一項)とは,簡単に言うと,犯罪構成要件に該当するが,急迫不正の侵害に対し,自己または第三者の権利を守るためにやむを得ずなした行為であり,緊急避難(刑法三七条一項本 文)とは,犯罪構成要件に該当するが,自己または第三者の生命・…

正当防衛と緊急避難の共通点及び相違点について

正当防衛(刑法三六条一項)とは,簡単に言うと,犯罪構成要件に該当するが,急迫不正の侵害に対し,自己または第三者の権利を守るためにやむを得ずなした行為であり,緊急避難(刑法三七条一項本 文)とは,犯罪構成要件に該当するが,自己または第三者の生命・…

【ゼロから始める法学ガチ解説シリーズ】量的過剰防衛とは?わかりやすく解説【刑法】

甲は,知人であるAから罵られたため,言い返したところ,Aは,甲にむかって手を振り上げた。次の場合における甲の刑事責任(特別法違反の点は除く。)を論ぜよ。甲は,Aから暴行を受け,これに対応するためにAの顔面を手拳で殴打した。Aは甲から殴打さ…

【ゼロから始める法学ガチ解説シリーズ】共犯とは?答案の書き方も併せて解説

甲と乙は,かねてから恨みを抱いていたAに乱暴しようと相談して,言葉巧みに誘い出したAに対し,二人で一緒に殴るけるの暴行を加えた。暴行を加えているうちに,乙は,かねてからのAに対する恨みが高じて,暴行の結果Aが死ぬことがあるかもしれないがそ…

身分犯についてわかりやすく解説

一 身分犯とは,構成要件上行為者に一定の身分のあることが必要とされる犯罪であり,行為者が一定の 身分を有することによって犯罪が構成される真正身分犯と,法定刑が加重又は減軽されるに過ぎない不 真正身分犯とがある。前者の例としては,収賄罪,偽証罪…

事例問題でわかる窃盗と詐欺

甲は,友人Aから,こん包した段ボール箱を,「この中には,俺の大事にしている古文書 が入っているが,一週間保管してくれ。」と言われて預かった。甲は,預かって三日目になり,古 文書なら売ればもうかると思い,段ボール箱をそのまま,古本屋に持ち込み,…

【ゼロから始める法学ガチ解説シリーズ】正当防衛について事例問題を交えてわかりやすく解説【刑法】

乙は,友人の甲をびっくりさせようと思って暗がりから飛び出したところ,甲は,暴漢が襲って来たものと思い,自分の身を守ろうとして所持していたステッキを乙めがけて投げ付けた。ところが,ステッキは乙に当たらず,ちょうど乙の後方から歩いて来た丙の目…

【ゼロから始める法学ガチ解説シリーズ】因果関係とは?事例問題を挙げててわかりやすく解説【刑法】

甲は,深夜,散歩をしていた際,女性の叫び声が聞こえたので,声のした方に近づいたところ,女性のBがぐったりした様子でシャッターを背にして立っており,その前に若い男AがBの両肩に手をかけて立っていた。そのため,甲は,AがBを強姦しようとしてい…

【ゼロから始める法学ガチ解説シリーズ】正当防衛と誤想防衛についてわかりやすく解説

甲は,知人であるAから罵られたため,言い返したところ,Aは,甲にむかって手を振り上げた。次の各場合における甲の刑事責任(特別法違反の点は除く。)を論ぜよ(各場合は独立したものとする。)。⑴ Aがそのまま殴りかかってきたため,甲はその場を一旦…

過失犯の共同正犯とは?わかりやすく解説

一 共同正犯の本質は,共同正犯者が相互に犯罪実行の意思を共同にし,犯罪を実現することにあるのだ が,共同正犯者がどのような場合に,共同して犯罪を実現したというかについては対立がある。構成要 件による定型性を重視する客観説の立場は,共同正犯者が…

併合罪とは?事例問題と共に解説

甲は,生活費に窮して金品を奪取しようと考え,A 宅に侵入して物色中,A に発見されて大 声を出されたため,所携のナイフで切りつけて傷害を与え,更にその際,傍らに寝ていた幼児(二 歳)の足を踏みつけて傷害を与えたが,近所の人達が駆けつけたため,その…

公務執行妨害罪における職務行為の適法性について解説

(一) 公務執行妨害罪で成立する前提として,なされた公務で違法であった場合はどのように考えたらよい であろうか。公務はそもそも職務の執行といえるものであれば足り,適法性・合法性は必要なしとする 見解(小野清一郎)もある。しかしながら,公務執行妨害…

共謀共同正犯とは?わかりやすく解説【事例問題あり】 

甲・乙・丙の三人は,遊興費欲しさに,相談のうえ,A宅から金品を盗み出すことにした。 ところが,犯行当日になって,丙は,犯行に加担するのがいやになり,甲・乙に「自分は犯行を 止めた。君達も止めたらどうか。」。と話し,甲・乙も丙に「君が止めるなら…

窃盗,強盗(刑法二三六条一項),恐喝(刑法二四九条一項)の各罪の保護法益について解説

一 保護法益とは,社会秩序を維持するために,国家が国家社会において保護しなければならない利益を いう。すなわち,刑法の究極の目的は社会秩序の維持にあり,そのために,刑法は,国家社会において 保護しなければならない利益に対する侵害行為を犯罪とし…

共謀共同正犯,共同正犯関係からの離脱,共犯と錯誤について解説

甲と乙は,通行人から金品を脅し取ろうと共謀の上,甲が通行人 A を脅して金品を要求し た。しかし,A がなかなか言いなりにならないので,甲は,何が何でも奪ってやろうと考え,こ ぶしで A の顔面,腹部を殴りつけ,さらに倒れてしまった A の全身を足で蹴…

共同正犯の中止未遂について解説

一 要件 中止未遂が成立するには,(イ)「 自己の意思により」(ロ)「 止めた」ことが必要であり,(ロ)については,(1) 実行行為そのものを中止する場合と(2)実行行為終了後結果の発生を防止する場合が考えられる。 共同正犯の中止未遂の要件も,右と同様…

窃盗罪における不法領得の意思とは?わかりやすく解説

不法領得の意思は,学説が大きく分かれて議論されている論点なので,解答にあたっては,まず,なぜこの問題が議論されているのかという「不法領得の意思」論の意義を明確にした上で,できれば,単なる学説の羅列に止まることなく,一つの立場に立って論旨一…

不作為犯とは?事例問題を使って解説

甲は,五歳の息子乙と小川に釣りに来ていたが,乙は遊んでいるうちに誤って川に転落した。これを見た甲は,乙に多額の保険を掛けており,付近には誰もいなかったので,そのまま放置したのではおぼれて死ぬかもしれないが,それでも構わないと思って救助せず…

教唆と幇助の錯誤について解説

一 甲は乙に対し,A を殴るようにそそのかした。ところが,乙は既に A を脅かして A に対する恨みを晴らそうと考えていたところから,甲の言葉にいよいよ力を得た。そこで,その機会をねらっていた乙は,ある日,川に沿って歩いて来る A を脅かす意思で,そ…

詐欺罪について無賃乗車を実例に解説

甲は,所持金がなく,かつ代金支払の意思もないのに,あるかのように装って,A 運転の タクシーに乗り,目的地の近くで「気分が悪くなったので降ろしてくれ。」と嘘を言って車を止 めさせ,そのまま逃走した。 甲の罪責を論ぜよ。 はじめに 本問はいわゆる無…

不能犯とは?事例問題を交えて弁護士が解説

甲は,寝たきりのAを殺害しようと企て,金属バットでAの頭部を強打し,頭蓋骨を陥没骨折させた。ところが,Aは,既に病気で死亡してしまっていた。甲の刑事責任について論ぜよ。 一 不能犯とは 二 不能犯と未遂犯の区別の標準 三 検討 四 事案の検討 一 不能…

事実の錯誤とは?わかりやすく解説

第一問 甲は,自動販売機から金をとろうと考え,合鍵を用いて自動販売機の扉を開けていたとこ ろ,たまたま付近を通りかかった乙から「何をしているのか。」と声をかけられたので,捕まっ ては大変だと思い,持っていたドライバーを乙の顔目掛けて投げ付け,…

中止未遂とは?わかりやすく解説

意義 中止未遂とは,実行行為に着手した者が,自己の意思によって犯行を止めた場合を言う。この場合,刑は必要的に減軽されるか免除される(刑法四三条但書)。この刑の必要的減免がいかなる根拠に基づくものかについては,見解が分かれている。まず,刑事政策…

未必の故意とは?殺人罪を例にわかりやすく解説

例題 殺人罪を例に用いて,未必の故意について説明せよ。 刑法は三八条一項本文において「罪を犯す意(=故意)なき行為はこれを罰せず」とし,故意を犯罪成立の基本的要件としている。これは,ある者が違法行為を行ったとしても,その行為について行為者を非難…

責任能力とは?わかりやすく解説

一 問題の所在 刑法三九条一項は,心神喪失者の行為は罰しないと定めている。即ち,刑法の非難の対象になるのは責任能力ある行為のみである。これを行為と責任能力の同時存在の原則といい,責任主義から当然に導かれる理論である。しかし例えば,酒を飲めば…