司法試験の勉強会

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共同正犯の中止未遂について解説

一 要件

中止未遂が成立するには,(イ)「 自己の意思により」(ロ)「 止めた」ことが必要であり,(ロ)については,(1) 実行行為そのものを中止する場合と(2)実行行為終了後結果の発生を防止する場合が考えられる。
共同正犯の中止未遂の要件も,右と同様であるが,(ロ)の(1)の場合,実行行為を中止したというため には,共同正犯の性質上,自己の実行行為を中止するだけでは足りず,他の共犯者の実行行為をも阻止 することを要する。
したがって,共同して実行行為を開始した者の一部が,その途中で犯意を放棄し, 自己の実行行為を中止したとしても,他の共犯者が実行行為を終了し,結果が発生してしまえば,中止 未遂とはならない(最判昭二四・七・一二刑集三・八・一二三七,最判昭二四・一二・一七刑集三・一 二・二〇二八)。
但し,自己の実行行為を中止した者が,他の共犯者に対し,共犯関係からの離脱の意思 を表明し,それまでの自分のなした行為の犯罪的結果実現への影響力を取りはらい,自分のそれまでの 行為と離脱後の他の共犯者による行為との間の因果関係を切断した場合には,離脱後の他の共犯者の行 為の結果については責任を問われないこととなり,中止未遂が認められると解すべきである(実行行為着 手前の離脱につき東京高判昭二五・九・一四刑集三・三・四〇七)。

二 効果

中止の法的性格については,違法性消滅減少説,責任消滅減少説などがあるが,いずれの立場に立つ にせよ,一身的な事由であるから,刑を減軽或いは免除されるのは,当該中止行為をなした者に限られ, 他の共犯者には影響がない。