司法試験の勉強会

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現役弁護士が法学部1年生や司法試験受験者向けに法律の基礎を書くブログです。ブログを続けるモチベーションになるので、1日1回ブログ村のボタンを押して頂けるとありがたいです。

訴因制度と当事者主義との関連について解説

公訴事実と訴因 1 大陸法系の刑事訴訟には,公訴事実という概念が存在するのみであり,公訴提起の効力,審判及び判 決の効力の各範囲は,この概念により一律に限界付けられる。大正 11 年,ドイツ法の影響を受けて制 定された我国の旧刑訴法はこの型に属する…

検証調書(法三二一条三項)類推説とは

写真は,報告文書に代わるものとして「検証の結果を記載した書面」に準じ,撮影者を公判期日にお いて証人として尋問し,それが真正に作成されたものであることを明らかにした場合に証拠能力が認め られるとする。即ち,犯罪事実をそのまま記録したフィルム…

訴状の必要的記載事項について解説

1 当事者及び法定代理人の表示 当事者は,当該訴訟において誰が原告とされ,被告とされるのかが特定できる程度に表示をしなけれ ばならない。通常は,氏名又は商号と,住所によって特定されている。 また,当事者が無能力者ならばその法定代理人を,法人なら…

権利行使と恐喝罪の成否について解説

一 恐喝罪は,恐喝行為(脅迫行為。暴行も含む。)により相手方を畏怖させ,他人の占有する他人の財物を 交付させ(二四九条一項),又は財産的処分行為をさせる(同条二項)ことにより成立する。そこで,権利行 使が恐喝罪を構成するか否かの問題は,他人から財物…

共犯と身分―常習賭博の幇助について解説

共犯の本質について,まず,共犯とは何を共同にするものか,という点に関し,犯罪共同説,即ち数 人が共同して特定の構成要件に該当する犯罪を行うことをいうとする説と,行為共同説,即ち数人が共 同の行為によって各自の企図する犯罪を遂行することをいう…

違法性の錯誤についてわかりやすく解説

故意が成立するためには,まず犯罪事実の認識が必要であるが,このほかに違法性の意識を必要とす るか,という点については判例,学説の大きく対立するところである。この点について,代表的な考え 方としては次の五説があげられよう。 a 違法性の意識不要説…

債権者代位権について説明せよ

債権者代位権(民法四二三条)とは,債権者が債務者に属する権利を行使する権利のことをいう。これ は,本来的には金銭債権者が債務者の責任財産を保全するための手段と考えられており,債権者が,債 務者の有する金銭債権を代位行使するような場合がこれに当…

憲法第82条について解説

一近代諸国は,密室裁判,秘密裁判がもたらした弊害にかんがみ,憲法や法律で裁判の公開を保障して いる。日本国憲法も八二条一項で「裁判の対審及び判決は,公開法廷でこれを行う。」と規定し,裁判 公開の原則を定めている。 裁判の公開を保障する理由は,…

法の下の平等の原則について解説

一(1) 憲法一四条一項は,「すべて国民は,法の下に平等であって,人種,信条,性別,社会的身分又は門 地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。」と規定し,「法の下の平等」の原 則を宣言している。この規定は,一面において,国…

【ゼロからはじめる法学ガチ解説シリーズ】適正手続の保障とは?わかりやすく解説

憲法(以下法名略)31条の意義 31条は,「何人も,法律の定める手続によらなければ,その生命若しくは自由を奪はれ,又はその他の刑罰を科せられない。」と規定する。この規定は,人身の自由についての基本原則を定めた規定であり,アメリカ合衆国憲法の…

【刑事訴訟法】訴因の変更とは?わかりやすく解説

訴因の制度が導入された現行刑事訴訟法では,公訴の提起は,起訴状に訴因を明示して行なうことに なる(二五六条一項二項三項)が,公訴提起時に右のように起訴状に掲げられた訴因が,審理の進行とと もに明らかにされた事実とくい違いが生じた場合に,訴因に…

【刑事訴訟法】訴因の訂正とは?わかりやすく解説

訴因の訂正とは,訴因の内容に実質的影響を与えない範囲内で比較的軽微な誤りを正すことをいう。 例えば,起訴状に恐喝罪に該当する事実が記載され,罪名・罰条も同罪として記載されていながら,事 実の末尾が「騙取し」とあるのを,「喝取し」と正すことで…

【刑事訴訟法】訴因の補正とは?わかりやすく解説

訴因の補正とは,訴因の記載そのものに瑕疵がある場合に,その瑕疵を除去して完全なものとすることをいう。例えば,本来訴因は起訴状の記載自体によって特定されていなければならず(刑事訴訟法二五 六条三項),訴因の不特定な起訴状は無効であり,公訴棄却の…

【民訴法解説】合意管轄とは?わかりやすく解説

一 合意管轄とは当事者間の合意によって生ずる法定管轄とは異なった管轄のことである。法定管轄は専 属管轄を除くと当事者間の公平,便宜を考慮して定められている。そうすると,当事者双方がこれと異 なる管轄を望むのであればこれを許して差し支えないし,…

【民訴法解説】攻撃・防御方法の提出時期について

一 攻撃方法とは原告が訴えを理由づけるために提出する一切の申立て,主張,証拠の申出をいい,防禦 方法とは被告が訴えを排斥するために提出する一切の申立て,主張,証拠の申出をいう。 二 ところで,このような攻撃防禦方法の提出につき,民訴法はいわゆ…

責任主義とは?わかりやすく解説

責任主義 責任がなけれは犯罪は成立しないし,責任の重さに応じて刑の量も定まる。犯罪が成立するためには, 単に構成要件該当の違法行為があるだけでは足らず,さらにその行為について行為者に責任を問えるこ とが必要である。こうした責任主義は,現在の刑…

手附とは?わかりやすく解説

一 手附の意義及び種類 手附の意義 手附とは,契約に際し当事者の一方から相手方に対して交付される金銭その他の有価物である。要物 契約であり,他の契約に附随して締結されるから従たる契約である。 手附の種類 (イ) 証約手附 契約締結の証拠として授受さ…

居住・移転の自由について論ぜよ

憲法二二条一項は,「何人も,公共の福祉に反しない限り,居住,移転......の自由を有する。」と規定 する。「居住の自由」とは,住所または居所を決定する自由であり,「移転の自由」とは,住所または居 所を変更する自由である。後者は旅行の自由を含むと…

居住・移転の自由について論ぜよ

憲法二二条一項は,「何人も,公共の福祉に反しない限り,居住,移転......の自由を有する。」と規定 する。「居住の自由」とは,住所または居所を決定する自由であり,「移転の自由」とは,住所または居 所を変更する自由である。後者は旅行の自由を含むと…

最高裁判所の5つの権能とは?わかりやすく解説

最高裁判所の権能として以下の5つが上げられる 1 一般裁判権 2 規則制定権 3 法令審査権 4 下級裁判所の裁判官指名権 5 司法行政監督権 1 一般裁判権 最高裁判所も裁判所の一つとして一般裁判権を有する(憲法七六条一項)が,特別裁判所や行政機関に よる終審…

正当防衛と緊急避難の共通点及び相違点について

正当防衛(刑法三六条一項)とは,簡単に言うと,犯罪構成要件に該当するが,急迫不正の侵害に対し,自己または第三者の権利を守るためにやむを得ずなした行為であり,緊急避難(刑法三七条一項本 文)とは,犯罪構成要件に該当するが,自己または第三者の生命・…

正当防衛と緊急避難の共通点及び相違点について

正当防衛(刑法三六条一項)とは,簡単に言うと,犯罪構成要件に該当するが,急迫不正の侵害に対し,自己または第三者の権利を守るためにやむを得ずなした行為であり,緊急避難(刑法三七条一項本 文)とは,犯罪構成要件に該当するが,自己または第三者の生命・…

正当防衛と緊急避難の共通点及び相違点について

正当防衛(刑法三六条一項)とは,簡単に言うと,犯罪構成要件に該当するが,急迫不正の侵害に対し,自己または第三者の権利を守るためにやむを得ずなした行為であり,緊急避難(刑法三七条一項本 文)とは,犯罪構成要件に該当するが,自己または第三者の生命・…

訴訟条件とは?わかりやすく解説

一 総説 訴訟条件(訴訟要件)とは,公訴の有効要件をいう。 訴訟条件が欠けている場合(訴訟障害という。)は,公訴の提起が許されず(もっとも,有効な公訴の提 起のような訴訟条件はこの場合問題にならない。),公訴が存在したとしても実体的判決(有罪もしくは…

【ゼロから始める法学ガチ解説シリーズ】量的過剰防衛とは?わかりやすく解説【刑法】

甲は,知人であるAから罵られたため,言い返したところ,Aは,甲にむかって手を振り上げた。次の場合における甲の刑事責任(特別法違反の点は除く。)を論ぜよ。甲は,Aから暴行を受け,これに対応するためにAの顔面を手拳で殴打した。Aは甲から殴打さ…

【ゼロから始める法学ガチ解説シリーズ】共犯とは?答案の書き方も併せて解説

甲と乙は,かねてから恨みを抱いていたAに乱暴しようと相談して,言葉巧みに誘い出したAに対し,二人で一緒に殴るけるの暴行を加えた。暴行を加えているうちに,乙は,かねてからのAに対する恨みが高じて,暴行の結果Aが死ぬことがあるかもしれないがそ…

釈明権についてわかりやすく解説

一 釈明権の意義 釈明権とは,訴訟関係を明瞭にするため,事実上及び法律上の事項に関し,当事者に問いを発し,ま たは立証を促す裁判所の権能である(一二七条一項)。 なお,釈明とは当事者がなすものであって,裁判所がするのは釈明を求めること(求釈明)で…

身分犯についてわかりやすく解説

一 身分犯とは,構成要件上行為者に一定の身分のあることが必要とされる犯罪であり,行為者が一定の 身分を有することによって犯罪が構成される真正身分犯と,法定刑が加重又は減軽されるに過ぎない不 真正身分犯とがある。前者の例としては,収賄罪,偽証罪…

事例問題でわかる窃盗と詐欺

甲は,友人Aから,こん包した段ボール箱を,「この中には,俺の大事にしている古文書 が入っているが,一週間保管してくれ。」と言われて預かった。甲は,預かって三日目になり,古 文書なら売ればもうかると思い,段ボール箱をそのまま,古本屋に持ち込み,…

【ゼロから始める法学ガチ解説シリーズ】正当防衛について事例問題を交えてわかりやすく解説【刑法】

乙は,友人の甲をびっくりさせようと思って暗がりから飛び出したところ,甲は,暴漢が襲って来たものと思い,自分の身を守ろうとして所持していたステッキを乙めがけて投げ付けた。ところが,ステッキは乙に当たらず,ちょうど乙の後方から歩いて来た丙の目…