2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧
一 総説 訴訟条件(訴訟要件)とは,公訴の有効要件をいう。 訴訟条件が欠けている場合(訴訟障害という。)は,公訴の提起が許されず(もっとも,有効な公訴の提 起のような訴訟条件はこの場合問題にならない。),公訴が存在したとしても実体的判決(有罪もしくは…
甲は,知人であるAから罵られたため,言い返したところ,Aは,甲にむかって手を振り上げた。次の場合における甲の刑事責任(特別法違反の点は除く。)を論ぜよ。甲は,Aから暴行を受け,これに対応するためにAの顔面を手拳で殴打した。Aは甲から殴打さ…
甲と乙は,かねてから恨みを抱いていたAに乱暴しようと相談して,言葉巧みに誘い出したAに対し,二人で一緒に殴るけるの暴行を加えた。暴行を加えているうちに,乙は,かねてからのAに対する恨みが高じて,暴行の結果Aが死ぬことがあるかもしれないがそ…
一 釈明権の意義 釈明権とは,訴訟関係を明瞭にするため,事実上及び法律上の事項に関し,当事者に問いを発し,ま たは立証を促す裁判所の権能である(一二七条一項)。 なお,釈明とは当事者がなすものであって,裁判所がするのは釈明を求めること(求釈明)で…
甲は,友人Aから,こん包した段ボール箱を,「この中には,俺の大事にしている古文書 が入っているが,一週間保管してくれ。」と言われて預かった。甲は,預かって三日目になり,古 文書なら売ればもうかると思い,段ボール箱をそのまま,古本屋に持ち込み,…
乙は,友人の甲をびっくりさせようと思って暗がりから飛び出したところ,甲は,暴漢が襲って来たものと思い,自分の身を守ろうとして所持していたステッキを乙めがけて投げ付けた。ところが,ステッキは乙に当たらず,ちょうど乙の後方から歩いて来た丙の目…
問:予算に関する国会の権能について論ぜよ 第1 はじめに 1 統治機構の概説 ⑴ 統治機構の基本原理 近代憲法は,権利宣言と統治機構の二つの部分から成り,統治機構の基本原理は国民主権と権力分立である。 国民主権の原理には,国の政治の在り方を最終的に決…
一 緒論 このように,制度やある概念について一般的に述べよと問う問題では,関連することがいくらでもあ るので,何をどれだけ書くかの取捨選択に悩まれると思う。そこで,書くべきことを選ぶための視点を 考えながら解説を試みたい。 まず書くべきこととし…
甲は,深夜,散歩をしていた際,女性の叫び声が聞こえたので,声のした方に近づいたところ,女性のBがぐったりした様子でシャッターを背にして立っており,その前に若い男AがBの両肩に手をかけて立っていた。そのため,甲は,AがBを強姦しようとしてい…
表現の手段・態様を規制する立法の違憲審査基準について論ぜよ 第1 はじめに 今回は,憲法ガチ解説シリーズの初回なので,まず,憲法全般に関する概括的な説明を行い,その後,設問の解説を行う。 1 憲法の意義について 形式的意味における憲法とは,憲法…
Aは,Bから金員を借り受ける際,A所有の甲土地を担保に供し,Bに対し,抵当権設定 登記手続の代理権を授与した。ところが,Bは,抵当権設定登記手続を済ませた後,Aの代理人 であると称して,Cに対し,甲土地を売却した。Cが甲土地を買い受けたのは,甲土地…
Aは,Bから金員を借り受ける際,A所有の甲土地を担保に供し,Bに対し,抵当権設定 登記手続の代理権を授与した。ところが,Bは,抵当権設定登記手続を済ませた後,Aの代理人 であると称して,Cに対し,甲土地を売却した。Cが甲土地を買い受けたのは,甲土地…
Aは,Bから金員を借り受ける際,A所有の甲土地を担保に供し,Bに対し,抵当権設定 登記手続の代理権を授与した。ところが,Bは,抵当権設定登記手続を済ませた後,Aの代理人 であると称して,Cに対し,甲土地を売却した。Cが甲土地を買い受けたのは,甲土地…
Aは,Bから金員を借り受ける際,A所有の甲土地を担保に供し,Bに対し,抵当権設定 登記手続の代理権を授与した。ところが,Bは,抵当権設定登記手続を済ませた後,Aの代理人 であると称して,Cに対し,甲土地を売却した。Cが甲土地を買い受けたのは,甲土地…
甲は,知人であるAから罵られたため,言い返したところ,Aは,甲にむかって手を振り上げた。次の各場合における甲の刑事責任(特別法違反の点は除く。)を論ぜよ(各場合は独立したものとする。)。⑴ Aがそのまま殴りかかってきたため,甲はその場を一旦…