司法試験の勉強会

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【刑事訴訟法】訴因の補正とは?わかりやすく解説

訴因の補正とは,訴因の記載そのものに瑕疵がある場合に,その瑕疵を除去して完全なものとすることをいう。
例えば,本来訴因は起訴状の記載自体によって特定されていなければならず(刑事訴訟法二五 六条三項),訴因の不特定な起訴状は無効であり,公訴棄却の対象となる(三三八条四号)。しかし,絶対 無効視するまでのことはなく,検察官によって訴因が特定されれば,これを有効としてさしつかえない。 これが訴因の補正である。  

もっとも,何が起訴されたか不明なほど訴因が不特定であるなど瑕疵の程度が著しい場合には補正の 余地はないと解すべきである。下級審の判例であるが,被告人五名に対する共通の起訴状で,被告人甲 を主語とする公訴事実の記載がない,という事案について,右起訴状は,甲に関しては公訴事実の記載 を欠き絶対無効というべく,従って右公訴事実に甲の氏名を挿入することは,単に不明確な訴因を明確 にするという性質のものではないから,検察官申立の右補正(氏名の挿入)は,これを許容しがたい,と して公訴を棄却したものがある(神戸地姫路支判昭三四・一〇・二八下刑集一・一〇・二二七一)。  

訴因の補正も,検察官の手により訴因の内容に変更を加えるという意味では訴因の変更と共通である が,相違点としては次のような点がある。即ち,訴因の変更は,起訴状が有効であることを前提とする のに対し,訴因の補正は,起訴状が無効なものを有効とすることである。
また訴因の特定は実体審理の 前提要件であるから,訴因の補正は実体審理の前にのみ許され,実体審理に入ってからは許されないの に対し,訴因の変更にはそのような制限はない。  

訴因の補正については,明文上の規定は全く存しない。また訴因の補正には,右に述べた訴因の変更 に関する手続規定は適用がないと解せられ,訴因の補正は,具体的な場合に応じて適当な方法で行なえ ば足りると考える。

 

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