司法試験の勉強会

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訴訟告知とは?わかりやすく解説

(一) 訴訟告知とは,訴訟係属中の当事者,又はその当事者から訴訟告知を受けた者が,当該訴訟に対して 利害関係を有する第三者に対して,訴訟係属を法定の方式で通知することである。
すなわち,当事者(告 知者)が,自己の訴訟に補助参加の利益を有する(当事者参加の利益を有する場合も考えられる。)第三者 に対し,訴訟係属を知らせることにより,参加の機会を与え,その者(被告知者)との間に責任を分担す ることに,その理念がある。
従って,被告知者は参加の利益を有する者,つまり訴訟の結果について法律上の利害を有する者でな ければらなない。そのため,告知者と,相手方との訴訟について,先決関係すなわち前提問題についての法律的判断に利害を有する者も被告知者となりうるわけである。
しかし,単にその利害が経済的因果 関係によるものであるときは,被告知者とはなりえないことになる。
結局のところ,被告知者の有する 利害関係は,参加の結果,告知者と被告知者とが訴訟追行に関し責任を分担すること,ひいては,告知 者の敗訴の結果を被告知者も負担することになるという,この制度の理念と関連するものといわなけれ ばならない。
訴訟告知の方式は,告知者が告知の理由,つまり被告知者が参加の利益を有している事由と,訴訟の 進行状況とを記載した告知書を受訴裁判所に提出し,裁判所がこれを被告知者に送達する方法によって なされる。
告知がなされた被告知者は,当該訴訟への参加を欲すれば,参加することになろうが,参加するかし ないかは被告知者の自由である。告知を受けても参加しなかった場合でも,遅滞なく参加しえた時と同 様の参加的効力を受けることになる(民事訴訟法七八条・七〇条)。


(二) 民事訴訟法七八条は同法七〇条を準用し,同法七〇条は,裁判の効力が参加人に及ぶことを定めてい る。
すでに述べたように,被告知者は,訴訟参加した者と類似の関係になるのだから,同条が準用にな るわけである。
民事訴訟法七〇条は,旧法五五条一項が既判力と別個の効力を明定していたのと異なり条文の体裁が 改められたことから,既判力について定めた条項であると解する見解が有力となり,本来当事者間にの み想定される既判力が,当事者双方と参加人との間に拡張されるのだと説明された(加藤正治)。
しかし, この説明は既判力の本質に反するばかりか,本問の如く訴訟告知の場合,告知の一事で被告知者に既判 力が拡張されるとするのは不当であり,旧法と参加人の地位が変わっていないのに,条文の体裁のみか らこれを別異に解するのも形式的すぎるとの批判から,参加人(被告知者)が被参加人(告知者)の訴訟に参 加し被参加人の勝訴に協力した以上,反面敗訴の危険も負担すべきであるという公平の理念から,参加 人と被参加人との間に判決の特殊な効力がみとめられ,これを参加的効力として説明する考え方が通説 となっている(雉本朗造,最判昭和 45 年 10 月 22 日)。
つまり,通説の考え方に従えば,参加的効力は,参加人と被参加人との責任分担の思想に由来し,こ の責任分担の理念は被参加人敗訴の場合に顕在化し,信義則上敗訴の危険は,参加人も負担すべきであ るというのだから,被参加人敗訴の場合にのみ考えられるものである。
さらに,被参加人と協働する参 加人の利害関係は,訴訟の先決関係にも認められるのであり,また,参加人は,参加時の訴訟の進行の 程度に従って訴訟追行することからすれば,参加的効力を判決理由中の事実認定や,法律判断にも及ぼ さなければ,無意味なのであり,主文のみに効力を認めたのでは,責任分担の理念は貫徹されない。 訴訟告知の場合,被告知者に訴訟に参加しうる機会が与えられたということから,参加しようが,し まいが一律に参加的効力が被告知者に及ぼされる。
訴訟告知の主たる実益は,このような参加的効力に あるわけだが,参加的効力の生じる余地のない場合でも,当事者が自己と利害関係を共通する第三者に 訴訟告知をして,相互に利益を擁護しあう意味での実益は存する。
なお,近時,判決の効力について新たな視点から検討し,参加的効力以外に,訴訟の先決関係が参加 人の権利関係に関わる場合,参加人に当事者の既判力が相手方との関係で拡張されると解する立場(新堂 幸司)がある。
しかし,被告知者が参加しない場合,現実に訴訟に関与していないのだから,この立場で も既判力の拡張は否定されている。 さらに,実体法上訴訟告知に時効中断の効力を認めているものがあるが,そのような規定のない場合 でも,告知に時効中断における催告と同一の効力を認める説(我妻栄,兼子一)が有力である。