司法試験の勉強会

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仲介者の錯誤とは?わかりやすく解説

一 仲介者


仲介者とは,本人と相手方の間に立って,本人のために自ら意思表示をし,または,本人の内心の効果意思を相手方に表示し,もしくは,本人の完成した意思表示を相手方に伝える者である。第一の場合は通常代理人(民法九九条)であり,第二は表示機関たる使者,第三は伝達機関たる使者である。


二 錯誤


錯誤(九五条)とは,意思表示において,表示と真意に不一致があり,それを表意者が意識しないことである。意思の形成過程で生じる動機の錯誤と,決定した意思を表示する過程で生じる表示行為の錯誤に分けられる。表示行為の錯誤は,さらに,表示行為の意義を誤る内容の錯誤と,表示行為自体を誤る表示上の錯誤に分けられる。


三 仲介者の錯誤


1 代理人の錯誤
代理人のなした意思表示につき,代理人に錯誤があれば,その意思表示は無効である(一〇一条一項, 九五条)。この場合は,あらゆる錯誤の問題が生じるが,代理人の意思表示の効果帰属主体は本人であるから,代理人の錯誤が,法律行為の要素にあたるか否かについては,本人の事情を基準として決すべきである。
2 表示機関たる使者の錯誤 
内心的効果意思は,すでに本人によって形成されているから,動機の錯誤の問題は起りえず,表示行為の錯誤に限られる。例えば,本人から,ある土地の売却申込の意思表示をするように依頼された使者が,何らかの理由で,賃貸の申込をし,相手方との間で賃貸借契約が成立した場合である。使者の表示と本人の内心的効果意思との間に不一致があるから錯誤となる。その場合,相手方の事情と本人側の事 情とを総合的に考慮し,表見代理の規定を類推適用し,あるいは,一般的な表見法理を適用し,相手方を保護すべき場合も生じよう。
3 伝達機関たる使者の錯誤
意思表示は,すでに本人によって完成されているから,意思表示の錯誤の問題は生じない。この場合は,意思表示の不到達の問題であり,意思表示の効力は発生しない(九七条一項)。例えば,本人が使者に,意思表示の内容が書いてある手紙を相手方に届けさせようとしたところ,使者が,相手方と同姓の別人の郵便受に投函してしまったような場合である。

 

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