司法試験の勉強会

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国会の両議院の組織について解説

 一 はじめに
憲法四二条は,「国会は,衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。」と規定し,これをうけて, 四三条一項は,「両議院は,全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」と規定する。旧憲法 においても二院制が採用され,三三条は,「帝国議会貴族院衆議院ノ両院ヲ以テ成立ス」と規定し,三 五条は,「衆議院ハ選挙法ノ定ムル所ニ依リ公選セラレタル議員ヲ以テ組織ス」と規定したが,同時に, 三四条は,「貴族院貴族院令ノ定ムル所ニ依リ皇族華族及勅任セラレタル議員ヲ以テ組織ス」と規定 した。二つの憲法における両議院の組織を比べると,いわゆる第二院の議員の選ばれ方が,全く異なることがわかる。


二 両議院の組織
1 両議院を組織する議員
(一) 両議院の議員の資格
憲法四四条本文は,両議院の議員の資格(被選挙権)を法律事項とし,さらに,同条但書で平等原則を貫いている。四四条をうけて,公職選挙法一〇条は,被選挙権の積極要件として,日本国民であり,かつ,衆議院議員については年齢満二五年以上の者,参議院議員については年齢満三〇年以上の者である ことを規定している。
(二) 両議院の議員定数
両議院の議院定数も法律事項である(憲法四三条二項)。これをうけて公職選挙法は,衆議院議員定数を五一一人(四条一項,同法附則二項),参議院議員の定数を二五二人(うち一〇〇人は全国,一五二人は地方選出議員。四条二項)と定めている。
(三) 両議院の議員の任期
衆議院議員の任期は四年で,衆議院解散の場合には,その期間満了前に終了する(憲法四五条)。参議院議員の任期は六年で,三年ごとに議員の半数が改選される(四六条)。
2 両議院の議員の選挙
(一) 選挙人の資格
憲法四四条本文は,両議院の議員の選挙人の資格(選挙権)を法律事項とし,さらに,一五条三項で,成年者による普通選挙を保障したうえ,四四条但書でその趣旨を徹底させている。以上をうけて,公職選挙法九条一項は,選挙権の積極要件として,日本国民であり,かつ,年齢満二〇年以上の者であることを規定している。
(二) 選挙に関する事項
憲法四七条は,選挙区,投票の方法,その他両議院の議員の選挙に関する事項を法律事項とし,公職選挙法がこれを具体化している。


三 両議院の組織の比較
以上みてきたところによれば,両議院の組織について憲法上の差異があるのは,任期と解散の有無のみである。法律上の差異としては,被選挙権の年齢制限,定数,全国区制の有無である。これらの点か ら,両議院を組織の面に限って比較すると,参議院衆議院に対する特質として,院を構成する議員の 身分の永続性と安定性,院自体としての継続性があげられる。そこで,組織の点に限って参議院の存在意義をみると,衆議院の解散後,新国会の成立前に生じた緊急の事態に,立法機関として対処すること にあるといえる。参議院の緊急集会は,このための制度である(五四条二項但書)。


四 両議院の組織の運営
二院制を採用する以上,それぞれの議院は,他の議院から独立して組織され,かつ運営されなければならない。そこで,憲法は,一つの院の議員が他の院の議員になることを禁じるとともに(四八条),組織の構成員たる議員の資格に関する争訟の裁判と役員の選任について,院の自主制を認め(五五条,五八 条一項),さらに,院の組織の規律に関する規則制定権を,各院に与えた(五八条二項)。

 

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